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キキの手術 ~大学病院での一日~
手術当日の朝。

キキの心臓が麻酔に耐えられるかどうかの検査が、
循環器科の先生によって行われた。

その結果、
「麻酔のリスクはあるけど、手術、しましょう。」
ということになった。

ただ、まだ麻酔をかけた後の精密検査により、
切除不能、放射線治療に切り替える、という可能性もある。

麻酔時間を出来るだけ短くするために、
手術と放射線治療、方針が決まったらすぐに対応出来るようにしたい、
という先生の配慮もあり、
両方の施設を確保可能なこの日の手術予定の一番最後に
キキの手術を行うことになった。

それまでは、待機となった。


* * *


14時開始、と聞かされていた手術開始予定まで
待合室でじっと待っていると、
「今から麻酔をかけます。」との案内があった。

放射線治療だと効果はあまり高くない、と聞かされていたので、
どうか、手術出来るとの判断結果がでますように。。。

と、祈りながら待つこと約30分。

「手術できます。今から手術が始まります。」
と、先生の一人から伝えられた。

手術着に着替え、手術室を見下ろす見学室に入ると、
手術台の上には、既に麻酔が効いて、
仰向けに寝かせられたキキの後ろ足が、
体にかけられたシーツからはみ出ているのが見下ろせた。

やがてそれも、上からさらに大きなシーツがかけられて見えなくなり、
シーツの丸い穴から、キキの小さな下顎だけが覗くようになっていた。

手術台の周りには様々な器具が並べられていて、
10人位の先生たちが慌ただしくそれぞれの準備をしている。

シーツの穴から覗いている下顎は、小さな白いキバも見え、
確かにそれはキキのものだったけど、妙に現実感を伴わない光景だった。

しかし手術が始まり、メスが入れられ、淀みなく手術が進んでいくと、
今、キキの身に起きていることを思い、涙がどうしようもなく溢れ、
紙マスクの中は鼻水の洪水となり、苦しくて仕方なかった。

見学室に置かれたモニターには、手術の様子が詳細に映し出されていた。
口の中の構造は思っていた以上に複雑で、そう簡単な手術ではない、
ということを思い知らされた。

腫瘍は既に顎の骨をも侵食していて、左側の2/3、
右側の1/3ほどの骨も一緒に切り取って手術は進む。

やがて、キキの下顎に巣食っていた大きな赤黒い腫瘍の塊が、
小さなキバもろとも切り離され、
執刀医の先生の手から別の先生の手に渡った。

もう、後戻りできない。

喜ぶべきことなのに、何故かそう思った。

そこからさらに、複雑で繊細な手術が続いていった。
閉じる方が、開いていくよりも、何倍も難しい作業に思えた。


* * *


手術中はずっと、心電図の音が、見学室にも鳴り響いていた。

麻酔が心臓に掛ける負担はかなり大きい、
と事前に説明されていたため、
定期的な心音のリズムが少し狂ったりするたびに、
ハッとして先生達の様子を凝視し、
特に慌てた様子がない事を確認してから、
また手術の進行に集中していった。


* * *


1時間はかからない、という事前の説明をほんの少し超えて、
手術開始からちょうど1時間が過ぎたころに手術は終了した。

終わった直後の手術室から、一人の先生が見学室に駆け上がってきて、
「今から先生からの説明がありますので。」と伝えてくれた。

手術室へ降りていくと、執刀医の先生が
「手術は予定通り、順調に終わりました。」
と言い、切り取った腫瘍や、キキの口を見せながら、
どこをどう処置したのか、簡潔に説明してくれた。

シーツは既に外されていて、キキはまだ麻酔でくったりと横たわっていたが、
久しぶりに姿を目にして、ああ、キキはまだそこに生きている、と思った。


* * *


約30分後、キキが麻酔から覚めたとの連絡で、診察室に会いに行くと、
診察台の上には、麻酔で瞳孔が開いてまん丸お目目のキキが、
先生に抱えられるようにしていた。

手術室で見ていた通り、キキの下顎は短くなっていて、舌がだらんと、
夏の日の犬のように出されていた。
ただ、舌が時々出たり引っ込んだりしていたので、舌を動かす筋肉が
無事に残されていることは確認できた。

麻酔と痛み止めで多少意識が混乱気味なのか、ちょっと挙動不審な感じ。
でも先生が「やっぱり飼い主さんがわかるんですねー」と言っていたので、
こちらのことは何とか理解しているみたいだった。

おでこをカリカリしてあげると、
ちょっと嬉しそうに目を細めるキキ。

よくがんばったね、キキ。

そういって頭を撫で、部屋を後にした。


* * *


キキの退院は、明日10/28となった。

楽しみと不安でドキドキしながら、キキを待っていよう。

テーマ:猫のいる生活 - ジャンル:ペット

コメント
この記事へのコメント
手術成功おめでとうございます!
良かった・・・。ほんとに良かったです(涙)

これからまた、大変かもしれませんが、にーちんさんもお身体ご自愛下さいね。
キキちゃんの見た目が変わってしまっても、キキちゃんがキキちゃんである事に変わりはありません。
キキちゃんが居てくれるだけで幸せなんだと思います。

キキちゃん、にーちんさんほんとにお疲れ様でした。
(我が子の時の事を思い出してつい涙が・・・出てしまいました)
ほんとの良かった・・。
2011/10/28(金) 12:13:06 | URL | さくら大福 #-[ 編集]
とても長い1時間でしたね。その時のにーちんさんの気持ちを考えると何も言えなくなります。
早くキキちゃんがうちでくつろげる事を願ってやみません。
2011/10/28(金) 19:40:28 | URL | ゆき #-[ 編集]
よかった!ほっとしました。

そして今、涙が止まりません。

これからが大変だと思いますが、

キキちゃんと一緒にがんばってください。

応援しています。
2011/10/28(金) 22:46:40 | URL | きーちゃんママ #-[ 編集]
にーちんさんキキちゃん
お疲れ様でした
ひつとの試練を乗り越えたんですね
これからのキキちゃんとの過ごし方
今までと同じようにはいかないでしょうが
いつも思っていますよ
2011/10/29(土) 01:02:33 | URL | お館 #SFo5/nok[ 編集]
手術成功よかったですね
読んでいて、その場にいるかのようにドキドキして
終わった時に涙が出ました。。

キキちゃん、頑張りましたね
術後の経過も順調でありますように
早くお家に帰れるとよいね
2011/10/29(土) 01:24:12 | URL | emi #-[ 編集]
おかえりなさい!キキちゃん、にーちんさん。
昨日、記事を拝見したのですが、
涙がどーっと押し寄せて書けませんでした。
キキちゃんの状態は落ち着いてきたんですね。
本当によかった・・・
にーちんさん、手術に立ち会ったなんて
凄いです。お疲れになったことでしょう。
本当にお二人ともお疲れ様でした。
ゆっくり休んで下さい。
2011/10/30(日) 15:02:59 | URL | みーやん #-[ 編集]
コメントありがとうございます!
ちょっと、生々しい内容になってしまったかもしれません。
実際、立ち会って見ているのは、なかなか辛いものでした。

でも、手術に立ち会って、今では良かったと思ってます。
あれだけ大変な事を経た結果、っていうのを
知ってるのと知らないのとでは、
お医者さんに対する理解、信頼度、
キキに対する接し方、
それぞれちょっと違ってきたかもしれません。

「手術に立ち会いますか?」と、先方から聞いてきてくださって、
そいういう意味でも良い先生に巡り会えたと思ってます。
2011/10/30(日) 22:40:50 | URL | にーちん #GkBK15ak[ 編集]
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